学パロ
メモ用に書いた筈なのにノリノリになった学園パロ(日本総受け)
※ 日本は女の子です。後年齢は実史をまったく考慮してません。
学パロ
終わればいいな(´・ω・`)
語るも涙、嘘だけどもし今回で終了したのならば、ココを開いてからずっと書き続けたのがちょっと終わった事になります。
人生「適当」がポリシーの私にとってとても(´∀`*)ウッヒョヒョ!な事だと思うのです。
今まで連載を終わらせたことなんて五本の指に収まりますので!(何を偉そうに)
もしずっと長い間私と共に(笑)学パロの今後を考えてくださった方とかまだいらっしゃいましたら、
「味はともかく長靴一杯食べたいや!」と明るく私の肩でも叩いてやってください。
英日両思い編 02 (13)
放課後の生徒会室。
それは全くいつもと変わらない一日の終わりだったのだが、授業が終わりすっ飛んで来たこの学校の生徒会長は、何やらギシギシと軋みまくる椅子によじ登って本棚に本を詰め始めた。
その光景を物珍しそうにセーシェルが下からぼんやりと眺めている。
「……何してるんですか?」
首を少しだけ傾げてそうセーシェルが訪ねれば、酷く不機嫌そうにイギリスは中々入らない数冊の本に小さく罵声を浴びせた。
「フランスのヤツが持ち込んだエロ本を押し込んでるんだ」
そして罵声を浴びせながらセーシェルの質問に答え、明らかに幅の足りない空間にその『ルネッサンスを見ろ!エロとは芸術だ!』とかいいつつフランスが生徒会室に持ち込んだ本の数々を無理矢理詰め込んでいる。
今までイギリスはそんなフランスを怒鳴ってたりはしたが、そうして本を棚に詰め込むなんて奇怪な行動は起こさなかったのに……と、そこまで考えてジッとイギリスを眺めていたセーシェルは何気なく口を開き、
「今日この部屋に誰か来るんですか?」と、訪ねた。
もしこれで彼、イギリスが漫画並に「ギクッ」としなければ、それはセーシェルにとっても特に興味のある話題では無かったのだが、イギリスは盛大に「ギクッ」と肩を揺らし冷や汗を頬に伝わせた。いつもはポーカーフェイスでやり過ごす癖に、こういう事に関してだけはどこまでも不器用なヤツである。
「……あれ?もしかして誰か大切な人が来るんですか?」
セーシェルはニヨニヨと大変愉快な……失礼、大変不穏な効果音を上げながらそっとイギリスが乗っている不安定の椅子の下にやってきた。眉を吊り上げてなんとか対抗しようとするイギリスに、セーシェルは普段雑用を押しつけられている分の仕返しが出来ると思っているのか、それは嬉しそうにイギリスを下から見上げている。
「誰ですかぁ?もしかして女の子ですか?」うふふ、と嬉しそうに笑いながら椅子を揺するものっだから、色んな意味で真っ青になったイギリスがアワアワと身体のバランスを崩しよたよたと椅子の上で揺れた。
「ばっ!バカ揺らすな!」
ひぃぃ!と言わんばかりな表情で訴えるイギリスに対し、セーシェルはそれはそれは楽しそうにギッシギシと椅子を揺らす。
「えぇー?かいちょーが誰を呼んだのか教えてくれたら揺らすの止めてあげますよ。」
と、今にもイギリスがセーシェルのテロに屈しかけた瞬間、ついに椅子の上から転がり落ちた。バスン、とセーシェルにぶつかり「ギャッ」と二人同時に声を上げソファーにぶっ倒れ、更にその上からイギリスが無理矢理詰み込もうとしていた本がバラバラと降り注ぎ凶器と化す。
何冊もの本がイギリスの後頭部にぶつかり、倒れた椅子からは盛大に音が鳴り響き、生徒会室は一瞬にして愉快な地獄絵図となった。
「って!いつまで人の胸に顔埋めてるつもりですか!この眉毛野郎!」
ボカン、真っ赤になったセーシェルの平手がイギリスの頭を叩けば、エロ本(芸術性を高めるなら春画)が頭に直撃したイギリスは暫し意識を朦朧とさせた後、バッと赤い顔を持ち上げて眉を吊り上げ口を開いたその瞬間、ガチャリとドアが開いた。
で、勿論というべきか当然というべきか、扉から顔を覗かせたのはやっぱり日本であり、その場は数秒の沈黙と共に固まった。悲劇は最初に混乱から脱出したのがイギリスでは無く日本であった事だろう。
「す、すみません。凄い音がしたもので、思わず……」
固まっていた日本の表情が不意に崩れ、そう泣きそうな声で呟き一つお辞儀をすると踵を返して生徒会室の扉から駆けて離れていく。残った二人、明らかに顔が真っ青なイギリスと呆けた顔のセーシェルがやっと動き出したのはその更に数秒後だった。
「あー!!絶対変な勘違いされましたよ!会長の所為ですか…ら……会長……?」
上で未だ固まったままのイギリスの顔の色が明らかに生きた人間のソレで無い事に、ようやっと気が付いたセーシェルがそっと呼びかけてみる、が、返事が無く只ブルブルと震えてる。
「って、ベタにもほどがあるだろー!?」
「ほっ咆えた!」
突如ワッと声を上げて半泣きになったイギリスに、ギャッとセーシェルが驚きの声を上げた。
「な、何意味不明な事言ってるんですか?!大丈夫ですか会長?」
真っ青で汗をダラダラ垂らしているイギリスの顔を下から覗き込み、眉間に皺を寄せつつそっと腫れ物にでも触るかの様に訪ねてみる、が、ワナワナと震えているイギリスはうんともすんとも言わずに、口から魂が抜け落ちた様にガックリと項垂れた。
「私が追いかけますよっ」
そのイギリスのあからさますぎる態度に、先程の少女がイギリスの待ち人だという事に気が付いたセーシェルは慌ててソファーから降りると、少しだけ開いた扉から外へと飛び出した。当然と言うべきか、そこにもう日本の姿は無かったのだが、生徒会室の右は行き止まりになっているので左の長い廊下を走り出す。少々走った所で一人の黒髪の少女が窓から午後の柔らかい光を浴びつつ歩いているのを発見し、その後ろ姿に駆け寄る。
「待って!」
左腕を掴んで振り向かせると、その子供っぽい大きな瞳が濡れているのに気が付き、思わずセーシェルは肩をビクリと震わす。慌ててポケットに手を突っ込みハンカチを一枚取り出すが、どうしていいか分からずにオロオロとセーシェルは日本の顔を覗き込む。
「うぅ〜……泣かないで下さいっ。私あの眉毛とは何でもないんです、本当ですよ。」
不安そうに日本の顔を覗き込んでいたセーシェルは、不意に顔を持ち上げてジッと見上げてきた日本に思わずドキッとして目を見開いた。水で出来た小さな粒をその睫にたたえたまま、日本はにっこりと微笑んだ。
「大丈夫です。誰にも言いませんから。」
セーシェルが緩く掴んだままの日本の腕が微かに震えている。
キリキリと心臓が潰される様な錯覚を覚えて、セーシェルは首を数回ブンブンと振って日本のセリフに違う、と言った。
「アレはたまたま会長が椅子から落ちちゃったんです。会長は、きっとあなたの事が大切なんです。」
だから、と日本の肩を掴み諭す様に言うのだけれども、眉間に皺を寄せ、何かを考える様な仕草で日本は視線を外して左斜め下を睨む。それから再びその瞳をセーシェルに戻すと、少しだけ首を傾かせる。
「……もしそうなら、どうしてイギリスさんじゃなくてあなたが追いかけてくるんですか?」
そう言う途中でまた日本の瞳の下が潤み、顔をちょっとだけ俯かせ下唇をキュッと噛んだ。セーシェルは何と言っていいか分からずにグッと言葉に詰まっている、その間に日本はセーシェルの腕を振り解き「失礼します」と小さく呟いて廊下をまた走り出した。今度は追いかける事も無く、セーシェルはただその後ろ姿を見つめる事しか出来なかった。
生徒会室で未だに呆けてソファーの上にしゃがみ込んでいるイギリスに、セーシェルは大股で近付いていき、机に置いてあった自分のカバンを掴むと、
「会長のヘタレ!」と一声残して、イギリスが返す前にバシンと扉を閉じる。
美術部も終わり(といっても部員は一人だけど)欠伸を一つ大きくしつつ廊下を歩いていると、向こう側に窓から差し込む太陽の光を一心に受けて佇んでいる一人の人物をみとめた。その瞬間パッとイタリアは表情を明るくしてその人物に駆け寄りかけ、ふと足を止めた。
「……日本?」
両手で顔を隠していた少女の名をそっと呼ぶと、その主はビクリと肩を震わせるが顔は持ち上げ無い。
「どうしたの日本。泣いてるの?どうして?……泣かないで」
慌ててその傍によって顔を覗き込んで訪ねてみるけれど、彼女は頭を振るばかりでコチラを向いてはくれない。何度も名前を呼んでみても、その肩をさすってやっても泣きやんでもくれない。
仕方が無いからその小さな体をすっぽりと包み込むように抱きしめると、意外な事に日本の腕がイタリアの背中に回りしっかりと掴んできた。ちょっと驚いて瞳を大きくさせてから、イタリアは日本の背中をポンポンと軽く叩いてやる。
シャクリと共に日本の肩が揺れていて、それをギュッと抱きしめているとそのリズムまでもがイタリアに伝わってくるかの様だった。
「ねぇ、日本、大丈夫だよ。」何の確証も無いのだけれども、ね、とそう言って微笑んでみれば、少しでも彼女の心が落ち着いてくれるのでは、と微笑んではみる。グッとイタリアのセーターにおでこをくっつけていた日本が、イタリアのその言葉に反応してゆるやかに目線を持ち上げた。
持ち上げた顔は、やっぱり赤くて涙で濡れている。普段は人にはそういった顔を見せないのだろうけれど、逆に親しくなると時折そういう顔を彼女は覗かせた。大きな黒い瞳が涙で潤んでいて、その頬にそっと指をあてがい涙を拭う。
「どうしたの日本?何かあったの?」
やっと瞳同士合わせられる様になったのだから、とイタリアがそう訪ねれば、ジッとコチラを見つめたままだった日本は無言のままそっと目線をズラした。
「私、イギリスさんの事が好きみたいなんです。」
不思議そうな、まるで訪ねる様な口調でそう日本が呟くと、イタリアは少しだけ目を開き頭を傾げさせ、頷いた。それで、と促す様に。
「でも、イギリスの事は良く分からないんです。何を考えているのかも。後……」
後、と言って日本が口ごもるのをイタリアはその両頬を掌で包み込むとグイッと上に向かせた。
「イギリスは日本の事が好きなの?」
「そっ、そんなの分かりませんよ!だからこうしてっ……」
イタリアの台詞の後に数秒固まってから、今度は顔を真っ赤にさせて、珍しく眉間に強い皺を刻みワッと声を上げるが、どうにも最後は尻すぼみ。それを見つめたままイタリアはニッコリといつもの笑顔を浮かべる。
「じゃ、やっぱりイギリスに聞くしかないよ」
ねっ、と首を傾けて微笑むと、日本は目を大きくさせて呆けた様に、驚いた様にイタリアの顔をジッと見つめる。
「でも……私、自信が無いんです。」
「何で?オレは日本の事大好きだよ!」
やっと絞り出した様に日本が言うのに対して、ケロッと不思議そうにイタリアが問い返す。困ったように日本がうっすらと微笑む。
「イタリア君のは好きの意味が違うんです。」
子供を宥める様な口調でそう日本が言うと、にっこりと微笑んでいたイタリアの笑顔がフト崩れた。崩れて、絵を描いてる時にしか見せない様な真剣な顔つきを覗かせた。
その灰色が濃い瞳に、思わず日本も魅入られる様に固まった。
「違わないよ」
そっとそうイタリアが呟き、掌で包んでいたままの日本に顔に自分の顔を寄せて唇を合わせた。ビクリ、と日本の肩が震えたのも気にせずに数秒そのままじっと数秒間動かない。
それからゆったりと体を離すと、目を瞠ったままの日本に困った様に眉を曲げてニッコリと笑う。いつもの様な……というには少々悲しそうに。
「ごめんね、日本。吃驚した?でもね、本当だよ。」
大きく瞠られたままだった日本の両目の目線が、イタリアからパッと離れ、眉は困った様に曲げられ、顔を真っ赤にさせる。
「でも、私……」
「イギリスが好きなんだよね」
えへへ、とイタリアは顔を傾けて笑う、が、日本が消え入りそうな声で謝るものだから作ったばかりの笑顔もまた崩れ落ちてしまう。
「日本、大丈夫だよ。行っておいで。もしダメだったらさ、オレとデートしようよ!」
ね、約束だよ!と素早くもう一度笑顔を作り上げるとその右手の小指を立てて日本の顔の前に差し出した。指切りげんまんっ、と子供のように笑った彼に、日本もいつも通りにクスリと喉を鳴らして笑う。そして「はい」と応えてからその小指に日本は己の細い指を絡ませた。
「それではイタリアさん、有り難うございました。……ごめんなさい」
ペコリと一度頭を下げ、上げた時に少しの間を持ってから日本が謝ると、イタリアはニッコリと微笑んで大きく手を振る。
「頑張ってね、日本!」
イタリアのその声援に押されるように、日本は一歩踏み出した。
キョロキョロと校内を見て回っているのだが、一向に目的の人物は見あたらない。もしかしたらもう帰ったのかも知れない。
セーシェルは結局日本に追いついたのだろう素振りだったが、何も言わずに(正確にはヘタレ、と暴言を吐いていったが)帰ってしまったし、どう考えたって日本は潔癖な訳で……今更弁明すれば更に嫌われるんじゃなかろうか、と先程から校内をウロウロしながらそんな事を眉間に皺を寄せて唸りながら考え続けていた。この眉毛は。
もし今会えたとしても、一体何を言って良いのかもう分からない。例え何かを言おうと思っていたとしても、絶対その場で出てくるとは思えない……それはもうずっと前から了承済み。どうしても日本が相手だと思っても無い言葉ばかりが零れてしまう。
悶々と色んな考えに捕らわれながら廊下を歩いていると、フト通り過ぎかけた教室に一人の人影を見つけ、足を止める。
随分と落ちかけた夕陽の中に、一人の見知った少女がぼんやりと外を眺めている。それは、中学生の頃からずっと見つめ続けた同い年の少女。
「日本」
考えるよりも早く、思わず、イギリスは少女の名前を呼んでいた。振り返る少女は、あの時兄を出迎えたその時と何等変わらない顔で、ただ違うといえば髪が短い事ぐらいだ。
日本がイギリスに向き合って数秒、二人の間には夕陽と無言だけが只横たわった、が、数秒の沈黙の後、何かを思いだしたように日本が先に動き出す。机に置いておいた自分のカバンを掴むとイギリスの居る扉と反対側の扉に向かい走り出す。
イギリスはイギリスで慌てて教室内に飛び込むと、その後を追いかけ何個もの机を押しのけ出口の間際で日本の腕を掴んだ。
「離して下さいっ!」
バシッ、と音を立てて日本がその手を振り払うが、イギリスはその振り払われた手でバンッと音を立てて日本の顔の真横の壁叩く。ビクリと震えて日本は逃げ出しかけた足を止め、目を見開きイギリスの顔を見上げる。
「話を聞け」
威圧的なのは元からなのか、前少し彼については分かりかけていた筈なのに、どうにもまた日本には分からなくなってしまう。
そしてイギリスはイギリスで、こんなに手荒くするつもりは無かったのに、とまた脳内で頭を抱えている。
「あのな、セーシェルとのアレは事故で……」
取り敢えず基本は弁明から始める訳だが、やっぱり言葉は探せど良い台詞なんて見つからない。その上明らかに日本はコチラを睨み付けているし、まるで愛とかを告白する雰囲気で無いのは火をみるよりも明らか。それでも取り敢えず気持ちだけは、伝えたい。
壁から手を離すと、身を屈め左膝だけ地に付け、警戒しきった日本の右手をそっと掴みその甲にそっと唇を寄せる。日本が息を飲み込む音がしたが、その手を振り払う事は無い。ほんの軽く手の甲に唇を押し当てていただけなのに、二人両方にとって何秒も否、それ以上に長い時間の様にさえ感じた。
「日本」
顔を持ち上げて相手の名を呼んだイギリスの顔も、呼ばれた日本の顔も赤く、お互い見やったのと同時に先程までも張っていた空気が見事に緩んでいる事に気が付いた。今なら言えるだろうか、と、二人同時に思う。
「お前の事が、好きだ。一番大切だと……思ってる」
途中で目線を外し、イギリスにとって一世一代となるだろう簡素な告白文だった。本当の事を言えば、もっとフランスの様に雰囲気を作って、甘い台詞を呟いたり出来ればいいのだが、自分はやっぱり自分だし、そんな事が出来るはずもない。
そろそろと外していた目線を日本に戻せば、真っ赤になった日本がイギリスと目線が合った瞬間、ふんわりと微笑んだ。
「私も……イギリスさんが好きです。」
日本のはにかんだその台詞に、イギリスはちょっとの間固まった後ガバリと凄い勢いで立ち上がり、思わず日本の肩を掴んだ。
「ほ、本当かっ?」
思わず問いかけければ、肩を掴まれ驚きながらも、日本は一度、頷いた。外では夕焼けのチャイムが鳴り始めるが、体温が異常気象を来した(何語?)イギリスにとってそんな雑音ムードのぶち壊しにすらならない。
外は夕焼け。舞台は放課後の教室。
役者はイギリス(舞い上がり)と日本、となれば後は只ひとつ……
「って!人に予算案押しつけておきながら一体我の可愛い妹に何やってるあるか!このドスケベジョニー!」
そう、中国だ。
「な、な、なんでお前が居るんだよ!」ひぃぃぃ、と泣き出しそうになりながらイギリスが咆え、日本はキョトンと首を傾けた。
「イタリアにお前が何処に居るか聞いたある……で、一体何してたあるか??」
ふふん、と黒く笑っている中国の後ろに何か四千年的な物がイギリスには見えた。それから「えへへー」と舌を出したなんかイタリア的な物も見えた。そこを救ってくれたのが我らが天使、日本である。ときっと何年も先まで語り継がれるだろう。
「中国さん、あの、私イギリスさんとお付き合いする事になりました。」
ポワン、と赤くなりながらもそう告げた日本に、中国とイギリスが同時に「ひょっ!?」とあまり形容し難い声を上げる。と、日本は不安そうにイギリスを見つめて、
「……違いますか?」と切なそうに訪ねる物だから、バタフライ効果も吃驚な程のもの凄い勢いでブンブンとイギリスが真っ赤で半笑いな顔のまま首を振る。何か分からないが何かを失敗してその首がもぎれるのでは無いかと、日本は心配、中国は期待したのだが、当然もぎれずに済んだ。そして再び日本とバッチリ目線を合わし、半笑いをキリッと懸命に締める。
「いや、違わない。」ちゃっかり日本の両手をギュッと握りしめ、高らかに一番の壁(中国)にこれからの宣戦布告をし、そして今度は誰も止める間もなく日本の額に唇を落とした。
後ろで中国が何かを叫ぶのだが、そんなのもうずっと遠くの物音の様。
「これからはオレが家まで毎日送ってやる」
額に落としたその唇で、日本の耳元でそうイギリスが囁けば、(日本にとっては)初めって会ったあの時、暴漢にあった時イギリスが一人で乗り込んできた事を思い出して思わず微笑んだ。
「はい。よろしくお願いします。」
笑った日本の右手の甲に、また先程の様にイギリスは唇を落とした。