学パロ

 

メモ用に書いた筈なのにノリノリになった学園パロ(日本総受け)

 

※ 日本は女の子です。後年齢は実史をまったく考慮してません。
   それからここに登場した人物のみ設定公開です。

 

学パロ
 
 
思うに、ポーと日本は女友達(笑)みたいな感じでいいと思います。
日本は「一緒にクレープ食いに行かん?」とかポーランドに言われて「えっ、リトアニア君はいいんですか?」「あいつ委員会だしぃ」みたいな会話をしてればいいと思います。
それで一緒にクレープを食べに行って口調が写っちゃって、お兄ちゃんは韓国に「日本が現代の女子高生に!」とか泣きながら電話すればいいと思います。
因みにポーはめちゃくちゃ書きやすいキャラだから、いつかリトと一緒に出したい…!
ポーの口調は結構高校生全盛期の頃の自分と似てるのです……orz
ポーランド可愛いよ、ポーランド。(´Д`*)因みに私はどちらかと言えばリトポ派です。一切書かないけど。
 
中国さんは頭が良いです。日本も元々賢いですが、努力は怠りません。
イギリスとフランスはやっぱり頭が良く、アメリカも頭は良いはずなのに努力を怠ります。
と、いうか興味が無いことにひたすら興味が無く、やる気がしないらしい。
 
日本人女性の平均身長は約158だそうです。誰が調べたのか知りませんが、それでいきます!(´Д`*)
お兄ちゃんとの身長差は11センチ
英との身長差は17センチ
伊との身長差は19センチ
独との身長差は21センチ
露との身長差はなんと23センチ ひょう!
 
 
第八話
 
 学園祭が終わって二週間後にもう体育祭で、その一ヶ月後に期末テストだなんて、いくらなんだって詰めすぎだ。
 自宅学習机にノートを開いたまま、うつらうつらしながら日本は眉間に皺を寄せた。
 連日の体育祭の練習で疲れた身体では、どうにもこうにも予習なんて出来ないし、何も考えられない。英語は全て暗号に見える程。
 ゴシゴシと目を擦ってみても、頬を叩いてみてもどうにも目が覚めず、気が付いたらまた机の上で眠ってしまう。
 ああもう一眠りしてしまおうと、うっかり布団に入ったら最後、次に気が付いたのは朝を告げる目覚まし時計の声で。
 慌てて飛び起きて目覚まし時計を止めると、一番に低血圧の中国を起こし、ドイツとイタリアにも声を掛け朝ご飯の支度にかかる。
 それから真っ白のままのノートを鞄に詰める。
 
「にほーん、ノート見せてぇ」
 いつもの少々間の抜けた緊張感の無い笑顔で、何だか愛らしいピンクで熊の絵が描かれたノートをピラピラさせながら朝一番にポーランドが日本の元にやってきたが、その時そのポーランドの台詞で日本は思わずハッとした。
「…す、すみません、やってません」
 ガックリと、まるで世界が終わると言う程の日本の項垂れ様に、ポーランドは唇を尖らし「えー」と言いながら余った袖をぶんぶんと振り回す。
「んじゃぁいいや、リトに見せて貰うし。ってか日本宿題忘れるなんて珍しー」
 ポーランドの台詞に益々肩を落として日本が申し訳なさそうな顔をするものだから、ポーランドは日本を指さしてププーと吹き出した。
 
 英語は元来不得意であって、どうにかこうにか勉強に勉強を重ねてようやっと解るようになってきたものだから、教科書をパッと全訳なんて出来ない。
 一時間目が英語で、予習が出来るのは朝の授業前しかないのだが、何だかそんな朝に限って日直だったりと忙しい。
 しかもこう焦っていると、思わず全てローマ字読みなんてしたりして、全然進まなく真っ青になった日本はペンを握った手をカタカタと震わせた。
 ポーランドなんてリトアニアに頼ったはいいが、リトアニアの授業進行がそこまで行っていなく、難なく英語の時間は昼寝にしようと決めたのに。
「日本さん。ノート、見せましょうか?」
 そう声を掛けてきたのは、隣の席に座ったラトビアだった。
 クリクリの大きな瞳と柔らかそうな猫っ毛の所為なのか、酷く童顔で(日本は人のことを言えない)一度自分を見舞いに来てくれた彼は、いつもの様に軽く震えながら小首を傾げる。
「いっ、いえ、悪いですし……その…」
 こういう時、他人を頼ってはいけない。ブンブンと頭を強く振ると、再び日本は真っ白なノートに向かい合いながら眉間に皺を寄せた。
 ああ、ダメだ。兄なんかは結構英語が得意だとういうのに……ガックリと項垂れながらやっと1ページ終わった瞬間に、一時間目開始のチャイムが鳴り響いた。
 予鈴の為先生はまだ来ない様だが、それだってたかだか五分だ。こんな時の五分はカップラーメンを待つ三分より遙かに早い。
「……今日、この列当たりますよね。あ、あの、僕、英語得意なんです。だ、だから……大丈夫です。」
 項垂れたままの日本に、ラトビアがそっと自分のノートを差し出して、ちょっと堅い笑みを日本に向ける。
「そ、そんな。やっぱりソレは悪いです。」
 と、その申し出を拒むと、明らかにラトビアは切なそうな顔で項垂れる。なんだか飼育小屋の兎を苛めた様な気分に日本は思わず陥った。
「あ、あの、じゃぁ、少しだけ……見せて、もらえますか?」
 恥ずかしさで思わず頬の熱が上がるのを感じながら、日本がそう言うと、ラトビアの大きな瞳がパァッと喜びで輝き、手に持っていたノートをグイと威勢良く日本に差し出す。
「文字、凄く綺麗ですね」
 ノートを開いて一番に、日本が感嘆の声を上げれば、尚いっそうラトビアは嬉しそうにニコニコと微笑む。
 その時、英語の教師が教室に入ってきた。
 
 ラトビアの訳は殆ど完璧で、日本も当てられたときこの綺麗な文字が書かれたノートはとても役に立った。
 そのラトビアが、次の長文を当てられ、思わずドキリとして日本はそっと隣を盗み見ると、いつもビクプルと震えている彼は、その時酷く冷静で、ほんの一つ息を吸うと「予習、忘れてしまいました」とハッキリ言い切った。
 
 
「な、なんで……」
 一時間目が終わると直ぐに、自分のノートを持った彼女はワナワナと震えながら眉を吊り上げている。
 普段は無表情か恥ずかしそうな顔しかしないのに、こんな珍しい表情が見られるなんて、凄くラッキーだなぁとぼんやり考えながら、自分の机の前に立っている彼女を見上げれば、見間違いかその目は少し泣き出しそう。
「怒り……ましたか?」
 自分としてはそんなに悪い事はしていないのに、それなのに彼女が怒っているのがどうも納得いかなかった。
「はい、勿論です。」
 きっぱりと言い放たれた台詞に思わず眉を歪めて彼女の顔を覗き込むと、その顔が不意に悲しそうに緩み、ラトビアを酷く慌てさせる。
「あっ、あの、すみません……」
 しょんぼり、とラトビアは項垂れて目を伏せると、目の前に差し出されたままになったノートをそっと受け取ろうとするが、スッと日本が持っていたノートを手前に引いたために掴み損ねた。
 驚いて顔を持ち上げると、ジッと自分を見つめる日本と目が合い、ラトビア自身も知らない内に体温がカッと上昇するのを感じる。
 ドギマギとして、思わず目線を反らそうとするが、その黒くて大きな瞳からは逃れられない。
「何か、何かお礼をしたいです。出来る範囲の事を仰って下さい。」
 不意に、先程までの表情を崩して、やんわりと日本が微笑んだ。大きな瞳が少しだけ形を崩す。
「えっ……?」
 あまりにも想像していなかった言葉に、首を傾げてしまうのを防げない。
 耳掃除が足りないのだろうか? なんてくだらない事を考えてしまう程、その言葉は軽く想像の範囲を超えていたから。
「ありませんか?」
 ラトビアが言葉に詰まると、日本は悲しそうに眉を曲げてしまうモノだから、ラトビアはアワアワと回らない脳をフル回転し始める。
 そうしてやっと出てきたのは、いつかのお昼に彼女のお弁当で見たモノ。
「だし巻き卵」
 あの黄色くてフカフカした不思議な卵。まだ入学したてのお昼に「これ、何ですか」と不思議に思って尋ねたとき、彼女がふんわりと微笑んでそう言った。
 「一ついりますか?」と尋ねられて、思わず首を横に振ってしまったのが今でも悔やまれてならない。
 思えば、あの時彼女が好きになったんだと思う。
「だし巻き卵……が、なんですか?」
 不思議そうに日本は小首を傾げた。
「こ、今度、ひとつ、下さい。本当は一度、食べてみたかった……のです」
 こんな事を言って、変に思われているだろうに。と、体温が再び上がっていくのが自分で悲しくてならない。
 が、日本はひとしきりラトビアを見つめた後、にっこりと微笑んで持っていたラトビアのノートをそっと手渡して言った。
「分かりました。今度ラトビアさんのお弁当も作ってきてあげあすね」と。
 正しくそれは、ラトビアにとって女神の約束にも等しく価値のある台詞であった。
 
 
 生徒会の活動の雑用は面白い程中国に押しつけられ、その上部活動の指揮もしなければならず、中国の帰宅はいつも空が真っ暗に染まってからだった。
 最近は夕飯の当番も出来ずに日本には申し訳の無い事限りないが、仕方無いといえば仕方無いし、彼女が文句も言わないのでついつい甘えてしまう。
「ただいまあるー……」
 グッタリと倒れ込む様に帰宅すれば、奥の台所から前掛け姿の日本がトタトタと走ってやってきた。
「お疲れ様です、中国さん。……大丈夫ですか?」
 笑顔でやってきたが、自分の顔を覗き込むと不安そうに小首を傾げて日本は眉を歪める。
 幼い頃からまるで変わらないその愛らしい姿に、生徒会での、特に会長と副会長あたりに感じる怒りとか怒りとか怒りなんかが思わず癒やされた。
「まだドイツさんが帰宅なさっていないので、先にお風呂でもどうですか?」
 にこにこと笑いながら自分の荷物を受け取りそう彼女が促すので、疲れてあまり出ない声で返事をし風呂場へ向かった。
 
 風呂から上がると、食卓には既にもうドイツとイタリアが付いていて、どうやら自分を待っているらしかった。
 机の上に並べられた和食の数々を前に、部活帰りで腹を減らしたドイツはムッとし、イタリアなんかは涎が出かかっている。
「あ、中国さんお湯加減どうでしたか?もうすぐご飯です、座っていて下さい。」
 ひょっこりと台所に居たらしい日本がコチラを覗き込んで微笑む。
「我も手伝うある。」
 ゴシゴシと未だ少し濡れたままの髪を丁寧に拭きながら台所に入ると、どうやら後はもうご飯とお味噌汁を運ぶだけの様だ。
「じゃあ私がお茶碗を取るのでご飯をよそって下さい」
 前掛けエプロンで手を拭きつつそう言った日本に笑顔を返すと、日本は背伸びをして高いところのお椀を懸命に取ろうとするが、中々取れずに藻掻いている。
 代わってやろうと声を掛けようとした時、重ねられたお茶碗にやっと指が届いたのは良いが、つま先立ちをしていた所為かバランスを崩しよろけた。
 慌ててその肩を支えてやるが、日本の上に先程指が届いた所為で揺れて、やがて落ちてくるであろうお茶碗を見つけ、何かを考える間もなく咄嗟に覆い被さる様にして日本の身体を庇う。
 ガシャン、と陶器が割れる音と後頭部に走った強烈な痛みに目の前がサッと暗くなり、遠くで日本が悲鳴を上げる様に自分の名を呼ぶのが聞こえた。
 
 
 大きな黒い瞳に涙をたっぷりと溜めて泣かないように耐えているのは幼い頃の日本で、その前で彼女を宥めている自分もまた、酷く幼い。
 彼女の愛らしい洋服は泥で汚れ、所々破けてしまっていたし、長くて細く黒い髪も、ボサボサになってしまっている。
 病弱でずっと家に居た日本が、やっと小学校に出てこられるようになったのはいいが、その世間知らずの所為で苛められているらしい。
 自分がどれだけ日本を苛めた奴の名前を聞いても、彼女はグッと口を真一文字にして決してその名を言おうとはしない。
 頑固だった。が、唯人に頼ってばかり居る人間よりはまだマシだと思ったし、その頑固さが可愛らしくもあった。
 そして恐らく、自分が庇ってやらなかった頃の彼女は、家の中でいつもこうして耐えてきたのだろうと、その事にも気が付かなかった自分を恨めしく思う。
 袖で零れそうな涙を拭ってやると、彼女の顔が不意に和らぎ、今度は新しい涙が簡単にポロリとこぼれ落ちた。
「ちゅうごくさん」
 彼女が自分の名を呼ぶとき、己の母親の真似をする。そんな時、自分と彼女との間に深い深い溝を覚えて成らない。
 「ん?」と笑顔で返すと、彼女は少しだけ眉間に皺を寄せ、その涙で濡れた大きな瞳を一際大きくさせて尋ねた。
「なぜこんなに優しくしてくださるのですか?」と。
 確かに、2〜3年前の自分とは比べものに成らないほど今の自分は彼女に甘いし、いつも出来るだけ自分を出さない様にしていた家の中でも今は直ぐに彼女を守ってやるし、一緒に遊んだりもしている。
 それが、きっと彼女には不思議でならなかったのだろう。
「そうか……我は」
 言いかけた瞬間、ズキズキとした酷い痛みが後頭部を走り、思わず後頭部に手を当て蹲った。泣き出しそうな日本の声が、自分を呼ぶ。
 
「中国さん!」
 揺れる電灯がまず第一に目に入り、次に目に涙を溜めて必死に自分の名を呼ぶ日本にやっと目線が向いた。それから後ろでわたわたと駆けているイタリアと手に包帯を持ったまま固まっているドイツに気が付く。
 どうやら気を失ったのは本当に僅かだったらしく、未だにそこは台所で、自分はどうやら倒れたまま日本に抱き留められていたらしい。
 右手で身体を支えながら起こすと、日本が驚いた様に身を引く。
 また痛み出した後頭部に手を伸ばせば、酷く大きなタンコブはあったが、どうやら皮膚は破れずに済んだようだ。
「……中国さん」
 起き上がった中国に安心したのか、日本の瞳に溜まっていた涙がポロリと一粒その白い頬を滑り落ちた為に慌てて日本は自分の瞳に己の手を押し当てた。
「わわっ、泣くなある!我は大丈夫だから」 カナリ痛いが。
 日本が泣くのにはまだ周りより免疫があるのだが、自分の事で泣かれるのは嫌だった。
 その黒髪をポンポンといつもの様に撫でてやると、彼女はしゃくりの中で囁いた。
「どうしてですか」と。続きは聞かなくても分かる。どうして自分を庇ったのか、とか、そんな事だろう。
 彼女はあの最悪といっても過言でない環境で、まだ幼かった所為か自分を守る器用な術もまだ持ち合わせていなかった為に自身を卑下する嫌な癖を持っていた。だから自分は、出来うるだけ彼女に代わり彼女を守ってやろうと決心している。
 しかしそれは、いつか意味合いが少々変化していたかもしれない。
 自分は自分である事を守る為に、彼女を守っていたのかも知れない。彼女が酷く歪んでしまった自分のたった一つの安全バーだった。
「……我は、お前が宝物だから」
 その言葉に、日本は少々赤くなった瞳を持ち上げてジッと中国をみやる。
 幼い頃に泣きながら何度か中国に尋ねた事と、今の返答はワンセットで聞き覚えのある台詞だったのを思い出したのかも知れない。
「ちゅっ、ちゅうごくーー!」
 泣きながら飛びついてきたのは、日本では無く先程からワタワタと駆け回っていたイタリアであった。
 しかも飛びついた衝撃で再び後頭部をガツンと棚にぶつけ、信じられないほどの痛みが頭と言わず全身に走る。
「……こんのっ、馬鹿野郎!」
 暫く痛みに悶えた後、泣き笑っているイタリアのどたまを思いっきり叩いてやっると、ヴェーと鳴き声を出して泣いた。
 その光景を眺めながら、やっと日本もうっすらと微笑む。
 昔から等しく、自分が先程の台詞を言ってやると彼女は絶対に微笑んだから、それが自分にとっても大切な合い言葉の様になっていた。
 
 日本が笑う。自分の世界は昔から唯それだけで良かった。