もう動いてはいない工場の屋根の上、フェリシアーノはしばらくの間目を瞑っていたが、やがてゆったりと開く。時間を確認すれば、そろそろ午後の二時をまわるころであった。
まだ『彼』は気が付いていないらしく、ここで長らく見張っているけれど、未だに玄関から飛び出してくる気配は無い。けれどもテレビを付ければ直ぐに気が付くわけで、ああ、それでも子供一人連れてでは、うまく行かないだろう。
そこまでフェリシアーノは考えた後、屋根の上に立ち上がって空に浮かんだ、真っ白な綿飴じみた雲を見上げた。
「行かなくちゃ。」
そう囁いた言葉は、自身にしっかりと刻みつけるために出された言葉だ。奮い立たせるための、言葉だった。
立ち上がり街を見やると、全てがガラクタに見える。何もかもが、くだらない茶番劇のように思えてくる。もしそうなれば、どんなに嬉しいものか。
SAMSARA
ピーターの言葉が理解出来ずに、アーサーは取り敢えずその話題をそれ以上出さず、小さな甥っ子とテレビの画面を見やった。
昼のニュースとして真っ先に映ったのが、自身の街で、思わずギョッとする。見知った街の上空写真は、己の通っている学校の、その姿を映し出していた。
けれど、そこにはもう見知った学校は映って居らず、あるのは瓦礫ばかりである。アーサーは驚き立ち上がり、その光景を何も言わずに暫く見つめていた。
アナウンサーが言うには、午後の未明、突然学校が崩壊したのだという。設計に何かしらのミスがあったのか、それとも老朽化の所為か……更には爆破された可能性まであるという。
どの可能性が正解にしろ、兎に角学校は突然崩壊してしまったのだ。当然怪我人どころか、死人の騒ぎであろうと、テレビの中でアナウンサーがそう言った。
既に校門前には沢山の報道陣が居て、怪我人が続々運び出されている様子が放映され、学校が今どんなに騒がしい事になっているのか、良く分かる。
『お昼休みであった為か、まだ発見されていたない生徒が沢山居るそうです。』
そう、冷静な声色でそういったアナウンサーは、手元にあった別の資料に手を伸ばした。今誰が見つかって、誰が見つかっていないかなど、彼女は言ってはくれない。けれど、アーサーの脳内に一人の姿が映る。
「……菊」
そうだ、彼女だ。この間聞いた、電話口の男の声が、耳の奥で含みのある声色を上げた気がした。
「逃げなきゃ、菊。」
まるで護るように菊の体を抱き寄せていたヘラクレスが、不意に顔を持ち上げると、そう声を上げた。菊は驚きつられるように顔を持ち上げると、不安そうにヘラクレスの顔を見やる。
「逃げるって、何からですか?」
第一、この状況からどうやって逃げ出せば良いというのだろうか。
天井付近に一つだけ設置されていた窓から明かりを受け、ヘラクレスの真剣な顔が闇の中ぼんやりと浮かびだしている。
「アイツからだよ……。もう、狙われている。」
そう言うや否や、ヘラクレスは体を捻って己を抑え込んでいる壁を手で押しやりだした。が、中々穴は無く、逃げ出す為の道は見つからない。
アイツ。とヘラクレスが言った相手を、菊は一瞬で理解すると、菊は微かに体が震える心地を覚える。もう、ずっと、気が遠くなるほど長い時間、自分は彼と出会いと別れを繰り返してきた。
菊は身震いをした己の肩をさすると、取り敢えずヘラクレスと同じように、自身の体を押さえつけている壁に手を当てて、抜け道を探す作業を始めた。
「ごめん、ごめんね、菊……」
不意に後ろから謝罪の言葉が掛けられ、菊は驚きヘラクレスを見やる。と、彼の大きな背中が微かに震えているのを見つけ、眉根を下げると小首を傾げて見せた。
「オレ、自分のチャンスと菊を引き替えにしたんだ。」
泣き出しそうな声色が、あの雨の日の猫の鳴き声とかぶった気さえした。
菊は宥める心地さえ込めて、一度彼の名前を呼ぶと、ヘラクレスはようやく菊を振り返り、黒い泣き出しそうな瞳をこちらに向ける。
「……ごめんね、菊。でも、好きなんだ。」
好きなんだ。そう囁く彼が痛く可哀想で、菊はふんわりと彼に笑みを浮かべる。そして身を乗り出しヘラクレスに近寄ると、彼の頭を抱え込む様に抱きしめてやった。
「いえ、いいんです。私にとって、そんなに恐ろしい事ではありません。」
宥める様にそう言った瞬間、壁の一部が崩れる音がし、振り返るとそこから一斉に光がなだれ込んできていた。真っ暗だった世界は一瞬で白くなり、菊もヘラクレスも目を細める。
「菊、迎えに来たよ。」
そう言って顔を覗かせた主は、ヘラクレスが言っていた『彼』では無く、少しばかり寂しそうに微笑んだフェリシアーノであった。
咄嗟にヘラクレスは菊の腕を掴むけれど、菊はそんなヘラクレスを見やり、そっと微笑んでその腕を、優しく解く。そして、何の抵抗も無く差しのばされたフェリシアーノの手を取った。
「……菊っ。」
ヘラクレスが呼びかけると、振り返った菊はやはり微笑んでいた。
「大丈夫です。私達はまた何度でも巡り会うのですから。今度はもっと、沢山お話ししましょうね。」
柔らかく、優しく言ってからフェリシアーノと向かい合う。泣き出しそうな彼の顔を見やると、菊は表情を強張らせる間もなく、眉根を下げた。
「私以外に手を出さないでくださいね。」
「うん、大丈夫。」
ふんわりと優しい笑顔を浮かべた彼は、伸ばされた菊の腕をとると、グイ引っ張り出され、真っ青な空の下に出た。学校は殆ど崩壊しており、菊達が居る直ぐ脇は既に絶壁である。
思わず揺れる体をフェリシアーノは抱き留め、そのまま地面を蹴り上げる。驚き、菊は思わず一瞬息を呑み込み、抱き上げたフェリシアーノに強く抱き付く。
けれど、衝撃は訪れず、2人はふわりと柔らかく地面に足を付けた。着地はあまりにも穏やかで、とても屋上から飛び降りたとは思えない物だったし、また、先程まで聞こえて居た周りの騒がしさも聞こえない。
思わず瞑っていた目を開けると、いつの間にかそこは河原で、誰一人として人間は見あたらない。お昼ちょっと過ぎらしく、暖かな陽気が長閑で、今までの出来事が全て夢物語の様な気さえしてくる。
「フェリシアーノ君、ここは……?」
不審そうに、未だに自身を抱き留める主を見上げると、彼はにっこりと微笑んだ。
「菊はこういうところ、好きだって言ってた。」
にっこりと笑ったフェリシアーノは、満足そうに頷く。そういえば、前も河原で月夜を眺めたのだと、不意に思い出し、菊もつられて笑顔を浮かべる。
ならば、もうその時が来たのだと分かると、胸の奥が痛くなる。今回は、いつもよりも、ほんのちょっと長い間彼と時間が過ごせたのに、もうタイムアップなのだ。
急に泣き出しそうになった菊の顔を覗き込み、フェリシアーノは不安そうな表情を浮かべる。今回も刃物など使わずに、傷つけないようにしようと思ったのだが、どっちにしろ彼女は酷く苦しむだろう。
「見てよ、この指。五本ある。」
中々顔を持ち上げない菊を見やっていたフェリシアーノは、不意に手を空に翳して菊に良く見えるようにしてやった。長く伸びた綺麗な指は、一旦拳を作り、そして再び開かれる。
「この腕だって、最初は無かったんだよ。足も、目も、耳も、心も。
でも今オレは、君を抱きしめる事も、君の声を聞くことも、君と話すことも出来る。それから……」
穏やかだった彼は、自身の胸元に手を置くと、その表情を一変させ、厳しい表情を浮かべた。本当に悔しそうな様子で、眉間に深い皺を寄せると、何かに激しく憤怒している。
握られたその拳が、激情の為か微かに震えてさえ居る。
「オレは、オレはこんな事望んでいなかったんだ。だってそうでしょ?オレを見てよ!
望んだ事が叶ったって、所詮オレはオレだよ、こんなに醜い。ああ、馬鹿みたいだ。君と一緒の存在でありたいなんて、どうかしてたんだよ。」
そう言い終えたフェリシアーノは、泣き出しそうだったその様子から、再び穏やかさを取り戻して、更に肩と眉根を落として俯く。
「……なんでオレを造ったんだ。なんで、心なんてあるんだろう。
あんなに欲しかったのに、手に入れたのは、こんなにも苦しい心地だけだよ。跳ね上がったり、喜んだりなんて、ほんの一瞬なんだ。」
項垂れた彼が囁いた言葉は、恐らく、目の前に居る菊に向けた物では無いのだろう。
「……フェリシアーノ君は、いつも、最後は泣いていらっしゃいますものね。」
「覚えてるの?」
驚いた表情を浮かべ、フェリシアーノは菊の顔をジッと見やった。キョトンとした、どこか泣き出しそうな危うさを持った彼の様子は、酷く怯えた小動物のそれに酷似している。
「ええ、だって、いつもあなたの泣き顔を見ると、逃げ出すのがばからしくなりますもの。」
眉根を下げながら、苦笑に似た、それでも優しい彼女の笑顔を見ると、フェリシアーノはハッとする。
それは、最期、自身と向き合っている彼女が、いつも浮かべているその表情だったから。そう気が付いた瞬間、懐かしさと後悔の念がフェリシアーノの体内を駆け巡る。
気が付くより早く、フェリシアーノの顎先から、ポタポタと涙が滴り落ちた。
「ごめんね、ごめんね菊。」
微かなしゃくりを上げながら、フェリシアーノはそう、何度も謝罪を述べる。菊はいっそかわいそうになり、首を傾げて優しい笑みさえ浮かべてフェリシアーノの顔を覗き込んだ。
「いいのです、フェリシアーノ君。私もあなたも、その為に生まれてきたんじゃないですか。」
フェリシアーノを宥める様、出来るだけ優しい声色で菊はそう言った。その菊の言葉に、フェリシアーノは涙で頬を濡らしたまま、表情を引き締め、菊を見やる。
「そんなこと、あるはずない。だって、だってそんなの、悲しすぎるよ。」
「けれど……私に課せられた罰は、永劫に自分に回帰する事なんです。私が死なない事には、罰は始まりも終わりもしません。」
「じゃあもし、オレが菊を殺さなかったら?……あいつは、きっと残酷な方法で君に手を下す。でも、もしオレが君を庇ったら、何か変わるかな?」
言いながら、フェリシアーノの瞳に真剣な色が濃くなっていく。何か大きな決心を既に心の中でしている彼の表情は、今まで一度だって見たことのないものであった。
「……でも、そんな事をなさったら、あなたが……」
言い淀む菊に向かい、フェリシアーノはにっこりと笑みを返す。その柔らかな雰囲気に飲まれ、菊はそれ以上反論する事もしない。
「例えオレが消されたって、最初に戻るだけだよ。最初は心なんてなかったし、ただ、故郷に帰るんだ、そう思えば何も怖くないでしょ?」
ふふふ、と笑うフェリシアーノの顔は、どこか悲しそうな様子である。その様子を見やると、菊はどうしても頷けずに、やはり首を振った。
けれどもフェリシアーノは、菊の腕を掴むと、グイと用水路の中に進むように促す。用水路は、今は使われていないらしく、真っ暗でどこまでも続いているかのように思えてならなかった。
「大丈夫、中にオレの仲間が居るから、彼に手助けして貰ってね。」
「そんな、フェリシアーノ君は?」
眉を顰めた菊に、フェリシアーノは笑顔を浮かべるだけでそれ以上言葉を続けなかった。けれど、菊の背中を強く押すと、そのまま上空に、スッと消えてしまう。
「フェリシアーノ君!?」
驚いて、思わず外に飛び出してその名前を呼ぶけれど、晴天の中に彼の姿は見えない。もう一度、大きな声でフェリシアーノを呼んでみても、誰も返事をしなかった。
暫く呆然と空を見上げていたのだが、恐る恐る、黒い口を大きく開いた用水路を振り返る。どこかに通じているらしく、生臭い空気が、僅かばかり漂っているのを感じた。
ゆったりと歩き出すと、微かに水が溜まっていて、靴の裏はかすかにぬるつき滑ってしまいそうである。それ故、冷たいコンクリートの壁に手を付き、そのまま前へと進んでいく。
恐ろしくはあったけれど、どうせどこへ行っても結果は同じなのだから、ここで退いても仕方が無いのは明らかだ。寧ろ、進まなければいつまでも『あれ』の視野の中である。
「誰か、いますか?」
そう菊が声をあげると、その言葉は何度も反響し、ピチャン、ピチャンという微かな水の音と混ざり、そして直ぐに消滅した。探りながら歩くため、中々前には進めない。
中では一筋の光さえ無く、己の手の平さえ見えなかった。その中で、分岐点についたらしく、突然広い空間に出たらしく、菊の手の平は空を掻く。
その瞬間、誰かが菊の腹部に腕を回し、グイと引き寄せる。瞬時、思わず悲鳴をあげようとして、後ろに立っていた人物は、菊の口を手の平で塞ぐ。
「大きな声を出さないでくれ。フェリシアーノは?」
耳元で言われた言葉に、菊はハッとして、見えない誰かを仰ぎ見たが、やはり何も見えない。
「フェリシアーノ君は……私を助けてくださると仰って、どこかへ……」
腹部に回された腕に手を当てそう返すと、暗闇の中でも、彼が頷いたのが分かる。そしてようやく、何かが擦られる音が聞こえ、彼の顔が浮かび上がった。
彼は前フェリシアーノと一緒に居た人物で、名前は確かルートヴィッヒと名乗っていたのを思い出す。そして彼はいつも、いつの時代も、フェリシアーノの後ろに立っていたのだ。
ルートヴィッヒは、手元にあったランプに明かりを灯すと、菊の腕をとりそのまま歩き出す。菊も引っ張られ、そのままルートヴィッヒの後ろに付いていく。
「あのな……俺の名前はルートヴィッヒだ。」
ルードヴィッヒの言葉に菊はコクリと頷くと、彼は菊を振り返る。相変わらず表情に変化は無く、暗い道はどこまでも続いていく。
「俺とフェリシアーノの名前は、昔君が読んでいた小説の登場人物からとったんだ。」
そう言った彼は、強張っていた顔に、微かな、そして優しそうな笑みを浮かべた。
学校の前に来ると、唖然としてアーサーはその場で立ち竦んだ。学校の周囲はまるで被害が無く、ただ、学校だけが残骸とかしていた。
報道陣と警察に囲まれ、中々近づけなかったのだが、被害にあった生徒の中にアルセーヌを見つけ、どうにか声をかけることが出来た。彼は疲れた顔をしていたけれど、大けがは無いようである。
「お前本当、今日学校来なくて正解だったよなぁ。」
アルセーヌは溜息まじりにそう言うと、生徒の群れから抜け出てアーサーの前へとやってくる。後ろの報道陣が盛んに声を上げるけど、2人とも顔を向けることもない。
「死人出たのか?」
「……え?いや、詳しいことは知らないけど、まだそういう話は知らないなぁ。」
アルセーヌは他人事の様に首を傾げ、校門に停まった救急車を見やる。怪我人や未発見の話は出ているけど、未だ死人の話は聞いていない。これだけ学校が崩壊しているのに、ある意味奇跡。
ニュースでは建設の際に問題があったのでは、と言っていたが、ずっと通っていて、そんな要素は一切無かった。それに、外見からして、そんなレベルでは無い。
「未発見の名前、どうにか分からないか?」
身を乗り出してそう尋ねると、アルセーヌは眉間に皺を寄せ、深い溜息を一つ吐き出す。
その様子を見やり、アーサーも不審そうに顔を顰めると、アルセーヌは表情を暗くして自身の足下を見やる。
「……本田菊だろ。」
アルセーヌの言葉に、驚きアーサーはアルセーヌを見るが、アルセーヌはアーサーに一切視線を向けようとはしない。
「何回繰り返すんだよ。いい加減諦めて、短い人生を出来るだけ謳歌してみれば?」
いっそ笑ってそう言うアルセーヌに、アーサーは一度息を呑み込んだ。
「お前……いつから気が付いていたんだ?」
「……生まれた時からだ」
「お前も、追いかけてるのか?」
そんな筈は無いと思いながらもそう尋ねると、アルセーヌは一瞬驚いた様子を見せてから、プッと吹き出し、釣られて笑い出した。
「まさか。オレはお前みたいに、一人の女の子をずっと追いかけたりしないよ。」
両手を大きく広げ、そう笑ったアルセーヌは、どこか表情に影を落とす。アーサーはアルセーヌを訝しげに見やりながら、立ち竦み、彼の次の言葉を待つ。
けれどもアルセーヌは何かを躊躇い、知らず顎先に指を当てる。
「……オレは、彼女と一緒だよ。“アイツ”に恨みを買ったから、お前等と違って追いかけられてるんだ。」
「……追いかけられる。なんで……?」
問いかけながら、部屋に倒れていたピーターの姿を思い出す。彼は何も覚えていなかったけれど、自分達となんらかの形で関わっているのは確実なのだろう。
部屋で倒れていた椅子に張り付いていた、蛇の鱗。彼女の体に、まるで何かの明かしの様に付けられた、蛇の生け贄の模様。そして、何度も何度も苦しみながら殺される、呪い。
昔、遙か昔、彼女は言った。
『輪廻は仕打ちなのです。輪廻は苦しみなのです。』と。それに違和感を覚えていたのだけれど、成る程、これはとんだ罰である。
「そこまでにしなよ。」
不意に割って入った言葉に驚き、2人はそちらに目線をやった。いつの間にそこに居たのか、1人の気の優しそうな少年が、アルセーヌとアーサーに向けて、人当たりの良い笑顔を浮かべて立っている。
同じ学校の制服を着ているのだが、今まで一度も見たことのない少年である。綺麗というよりも、人懐っこい愛らしい顔をした少年であるのだが、アルセーヌは微かな違和感を覚えた。
「誰だ、お前。」
「初めまして、そしてお久しぶり。」
アーサーの言葉を無視し、彼、フェリシアーノはにっこりと微笑んで見せた。ゆったりとした動作近付いてくる彼は、学校の崩壊の被害にあったとは思えない、まっさらな制服に身を包んでいる。
「オレは執行人。オレは菊を殺す為に、何度だって彼女を追いかけるよ。」
クイ、と顔を持ち上げたフェリシアーノのその表情には、いつもの明るい様子が微塵も無かった。ただ、不気味な程に影の落ちたその顔の目は、怪しくギラギラと輝く。
「だって俺達は、“あの人”の呪いそのものだもん。」